台湾の頼清徳(ライチントー)総統は20日、就任から1年となることにあわせて総統府で演説し、報道陣の質問に応じた。中国が頼氏を「平和破壊者」だと批判していることについて問われ、「侵略者こそが平和の破壊者だ。台湾を含む国際社会が侵略者の脅迫を受けている」と反論した。一方で中国を名指ししての批判は行わず、引き続き防衛力の強化や国際社会との協力関係を通じて抑止力を高めていく方針を語った。
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頼氏は記者の質問に対し、中台関係について「平和を追求する理想はあっても幻想を抱くことは出来ない」と中国への警戒感をにじませた。対等で尊厳ある関係を前提に「中国との交流と協力を歓迎する」とも語った。
ただ、頼氏が中国について触れたのは中台関係について記者から問われた際のみ。15分ほどの演説で自ら中国に触れることはなかった。頼氏の支持率は近ごろ下落傾向にあり、トランプ関税や台湾の与野党対立の激化など、台湾の人々の懸念が強い問題の対策を語ることに時間を割いた格好だ。
「友人同士の摩擦は避けられないが…」
頼氏は演説で、トランプ米大…